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切り離せない
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良いことをする部分もある人間とも言えるが。
それらは、一人の人間の性質として、切り離すことができない。
思い出の中で切り離せても、実際に付き合っていく時に、家族のように親密な関係であれば、有害部分を切り離して接することは難しい。
だから、潤にとって一番いいのは、おじ様や譲や母上からは、なるべく離れて、関わらないようにすること、だろうと思った。
もしかしたら、潤が、たいして学校に遠くもないのに、実家から通っていない理由は、そんなところにもあるのかもしれないとおもった。
「よかった。最近、ちょっと危ないんだ」
何のことなのか、潤が言った。
「そうなのか?」
「ちょっと、ボディータッチが多いんだよね」
そんなことをしてくる教師とは、誰のことだろう。
僕は、嫌悪感を感じた。
「いいね、触られて、興奮するんだろう?」
おじ様は、心配するでもなく、煽るように言った。
「そんな。困っちゃうよ」
潤は、煽りに乗らずに本音のように答えた。
「だったら友達といつもいっしょにいなさい。一人でいると狙われやすいから」
おじ様は、僕の方をちょっと見て、言った。
「はい、わかりました」
潤は、素直に答えた。
「おい、親父、何やってんだよ!」
テラスの方から、譲のよく響く、張りのある大きな声が聞こえた。
おじ様が顔を、テラスの方へ振り向けた。
「飯ができた」
譲の声が言った。
日輪が天の頂きに上っていた。
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