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それからナツメ君とオレたちは、まるで昔からの知り合いの様に子供の頃の話や、面白エピソードを言ったりして笑い会ったりしてたんだけど、急に要が真剣な顔で「あのさ…ナツメ君は最初、俺の歌声が好きだったんだよね…」と言い始めた…
要が何を言おうとしてるのか分かったオレは、「要…それ、今言うことじゃ…」と言葉を挟んだ。
「あの…要さん?」
ほら、ナツメ君も不安そうな顔してるじゃん…
「俺ね…芙舞季(ふぶき)を脱退して役者一本でやって行こうと思ってるんだ…」
「え?どうしてですか?」
泣きそうな顔でナツメ君が尋ねる…そりゃそうだよね。驚くよね…オレは、だいぶ前から知ってるけど。
「俺ね…実はね……すっげぇ音痴なんだ…」
「要さん、真剣な顔して冗談は止めてくださいよ!」
「いや…本当なんだ、俺の歌声が壊滅的なのはメンバーも知ってる」
「じ…じゃあ、あの歌は…?」
「アニキなんだ、俺はずっと口パクしてたって訳…昔アニキとカラオケに行って今の事務所の人にスカウトされたんだけど、その人が勝手に俺が歌ってると思い込んじゃって…瞬く間にグループのメンバーや名前も決まってて、いざレコーディングって時に自分が音痴だって分かったんだよね…ハハハ」
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