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「自分が音痴だって、気がつかないもんなんですか?」
「今まで周りの人が言ってくれなかったし…アニキも普通に俺の歌を聞いてくれてたからさ…いざ、事務所の社長の前で歌ったらその場にいた全員に「あの美声の持ち主はオマエじゃ無かったのか?」って言われたから、それアニキですって言ったの…」
「そうだったんですか…でも、夏目さんはどうしてメンバーにならなかったんですか?」
至極当たり前なナツメ君の質問に「一旦は事務所に所属したんだけど…顔がね…アイドル向きじゃ無かったし、ダンスもヘタでさ……」そう言って、オレは前髪を上げて見せた。
「……双子だけど二卵性だから、要は父さん似でイケメン。オレは目が細くてちっちゃい母さん似なんだ」
「…確かに、芙舞季のメンバーだと浮いちゃいますね…でも、俺は夏目さんがアイドルを目指してないならイケメンである必要が無いと思いますよ…」
誉められたのか貶されたのか微妙なナツメ君の言葉に要が笑う。
当のナツメ君はキョトンとしてるけど…
「ナツメ君、アニキはね作詞作曲も出来るんだ、聞いてみたいだろ?」
「はい!」
「俺は…アニキにはアーティストとしてデビューして欲しい…アニキを表舞台に出したいんだ…」
「かな…め」
「スゲー、俺なんかスゲー瞬間を見てる気がする!!」
興奮しているナツメ君、晴れ晴れとした顔をしている要、そしてオレは…今どんな顔をしているんだろう。
きっと、新しい道を歩もうと希望に満ちている要と同じ顔をしているのかもしれない……
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