アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
その名は壊し屋
-
月の光しかないような静かな夜。
とある雑居ビルでは騒ぎが起きていた。
「壊し屋はどこだ!見つけたらすぐ殺せっ!」
殺気だって怒鳴っているのはこのビルで悪徳商法を行っている社長。
実はこの社長、麻薬の売買もしている。
慌ただしく動き回る社員、もといヤクザのような部下達はある2人組を追っていた。
その2人組の名は、壊し屋。
何故か犯罪者だけを狙う犯罪者として、世の中で知られている。
部下の1人がビルの中を警戒しながら慎重に進む。
その手には黒く鈍い光を放つ拳銃。
「くっそ、あいつらどこ行きやがった…」
そう呟いて一歩踏み出した瞬間、
ゴンッ!
「ぐっ…」
倒れる部下。その後ろには鉄パイプを持ち白い兎のマスクを被った人の姿。
「あーあー、あっけねーな」
愉しそうな声でそう言ったこの人物こそ壊し屋の1人、白兎だ。
「さてと、あっちはもう終わってんのかな」
社長室では社長が麻薬の入ったカバンを片手に拳銃を持ちながら待機していた。
「さあこい壊し屋……俺が殺してやる…」
辺りに目を配る社長。その目の前にはスタンガンを持ち黒い猫のマスクを被った人物。
この人物がもう1人の壊し屋、黒猫。
しかし社長は一向に気づいていない。
「どこだ壊し屋…」
「ここだけど」
「えっ…」
気づいた時には既に遅く、社長は声を上げる間もなく床に崩れ落ちた。
「……」
「おーい終わったー?」
黒猫の振り向いた先には白兎。
「!…うん」
黒猫は静かに返事をすると白兎のもとへと歩いて行った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 7