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触れられない
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なんだかどっと疲れた。
今までの乃木の距離感のおかしさはボクへの恋愛アピールだったのか……。
ボク、意外に鈍い……。
『ゲイだから。女の子に興味ない』
……男の人もダメ、だけどね。
ボクはきっとこのまま独り……一生、独りで生きていくんだろうなぁ。
そんなことを思うとなんだか虚しくなってきた……。
思わず、その場にしゃがみ込んだ。
大学1、2年の頃、ボクには恋人が居た。背の高い男の先輩。
本当は、ボクは、その先輩が好きなわけじゃなかった。大好きな先輩の代わりでいいから、とボクと付き合いたいと言った先輩。
ボクの大好きな先輩は、いつも女の人が周りに居た。ボクの気持ちはきっと、一生その先輩には届かない。……そう思ったら、ボクは、代わりの先輩を選んでいた。
すごく優しくて、ボクの望むことをしてくれた。ボクを大事にしてくれた。
でも、とても、とても優しかった人が豹変した。
ボクの気持ちが、限界だった。代わりの先輩じゃボクの心は満たせなかった。
『別れよう』
そう呟いて、ボクはやっぱり大好きな先輩のことが好きだと言ってしまった。
代わりの先輩は、ボクの髪を鷲掴みにし、罵り、犯した。レイプ紛いのセックス。
怖くて叫びたかった。でも、叫んであられもない姿を人に見られることを拒んだ。
ボクは黙ってその怒りを受け入れるしかなかった。ボクが犯してしまった過ちの結果だから。
ただただ早く済んでくれるよう、願うしか……なかった。
ボクはそれから、男の人に……触れられない。
触れられると喉が、締まる……。
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