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絶体絶命(以下略)風side 3
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「あの子大丈夫ですかね…」
入学式が終わった後も気になるのは倒れて保健室に運ばれたあの子のことばかり。
生徒会の仕事で少し時間もかかり新入生はとっくに下校の時間帯、やっぱりあの子も帰ってるのだろうか。
「一応保健室に寄ってみますか。」
会いたい。
たとえ可能性が限りなくゼロに近いとしても。自分のわがままだというのはわかっているが足はすでに動き始めている。
「帰っていないといいんですが…」
などと言いながら走っていると保健室の前に見覚えのある人影があった。
「おーい!華織!いたら返事しろ!華織!」
「あれは…付き添いの?」
と考えていると彼と目が合った。
「あ、あんたは生徒会の。なぁ!今日ぶっ倒れた華織って奴見なかったか!?
一緒に帰る約束してたんだけどトイレに行ってる間にいなくなってて…アイツ方向感覚ないから1人で帰れる訳ないんだ!何か知ってる事があったら教えてくれないか!?」
え……
あの子が……
もしかして誘拐!?それとも監禁とか!?考えたくないけど…レイプ?
「いいえ…わかりません。でも私も協力させていただきます。何か手掛かりはありますか?」
「玄関前にアイツのスマホが落ちてた。何かに巻き込まれた事は間違われない。おそらくだが携帯電話を見逃す程だから計画的な犯行ではないと思う。」
「それだけ分かれば十分です。先生は職員会議で忙しいので我々だけの行動になります。あと一応私の連絡先を渡しておきますので何かあったら連絡して下さい。」
「ありがとう、すまない。」
そう言って連絡先を伝えると私は全ての情報網を駆使して探した。
助けなきゃ。
あの子の悲しむ顔を見たくないから。
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