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「ヤバ…イ……。
クセになりそー」
恍惚とした様子で呟くと、狩川が狭山の上に倒れ込むように抱き締める。
慣れない情事で気怠い身体を乗せると、下から文句が聞こえてくる。
「バカ…重てー…ってば…。
どけよ…」
下敷きになった狭山は、狩川以上にぐったりと疲れきっているようだ。
「なぁ、気持ち良かった?」
狩川が、汗で額に張り付いた狭山の髪を優しく掻き上げる。
「はぁ?
普通そーいうこと、聞くか?」
狩川の質問に、狭山が眉間にシワを寄せた。
「狭山の口から“普通”とか言われるとは思ってなかった。
お前にムードとかデリカシーとか、わかんのかよ?」
クスクスと笑われ、狭山が膨れる。
「お前、ホント俺のことバカにしすぎ。
そういうお前はどうなんだよ?」
狭山は、真っ赤な顔を背けて誤魔化すように質問を質問で返す。
「めちゃくちゃ良かった。
今までの彼女とか、どーでも良くなるくらい、狭山の中、気持ちいい。
なあ、狭山は?」
ストレートな言葉に、余計に狭山の顔が赤くなる。
「最初は…痛かったけど………。
俺も、今までのセックスの中で………一番気持ち良かった………」
狭山の素直な感想が、可愛くて。
「さーやーまっ」
頬を両手で包み、正面から向き合う。
赤く熟れた唇に、チュッと口付ける。
「ちょっ!狩川?
なんで、キス…!?」
まるで恋人扱いされているようで、照れ臭い。
勘違いしたって、仕方ないのに。
「んー? 何となく?
狭山の事は好きだし?
セックスはめちゃくちゃ気持ちいーし。
どうせだったら、このまま付き合わねー?」
「はぁ? なに言ってんだよ!?
男同士だぞ?」
「分かってるよ。
でも、そこらの女より、お前といる方が楽しいし、なんか、可愛いって思っちゃったんだから、しょうがねーだろ?」
「可愛いとか言うな!」
コンプレックスを直球で刺激され、狭山が膨れる。
「顔だけじゃねーって。
お前の中身まで可愛いって言ってんの」
「やだよ!」
「んじゃ、セフレは?
気持ち良かったんだろ?」
嫌がる狭山を気にも留めずに、狩川が尚も詰め寄る。
「そのくらいなら、いいけど…」
「んじゃ、またシよーな。
そのうち、俺がいなきゃダメって言わせてやるよ」
校内で一二を争うイケメンに微笑まれ、狭山は妥協してしまったつい先程の自分を後悔した。
果たして自分は、狩川に溺れずにいられるのかと。
「気持ち良く出来なかったら、ソッコーでやめるからな」
そんな強がりも、狩川にとっては可愛らしいおねだりにしか聞こえない。
「はいはい、いっぱい気持ち良くなろーな?」
都合良く解釈して、狭山を抱き締める。
友達以上恋人未満の二人の関係。
狭山は好奇心を満たすため。
狩川は探究心にかられて。
二人の感情は、まだまだ色づき始めたばかりのようだ。
―――研究熱心な彼 end―――
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