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一縷の望み。
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早速、木兎に連絡をした。LINEでも良かったが、いてもたってもいられず電話にした。
もう既に日は暮れているため、忙しい時間ではないはず……と祈りながらスマホを耳へ当てる。
数コール後、懐かしい声が響いた。
「もしもし木葉ぁー?」
「おー、木兎ー。」
「いきなり電話って珍しいな、どうしたんだ?」
「や、その、木兎って赤葦と会ったりしてんのかなって。」
久々に口にした「赤葦」という名前に少し噛みそうになった。
「あ〜、月1ペースで会ったりしてるけど?」
ズキンと胸が痛んだ。そりゃそうだよな、木兎とは普通に会うに決まってるよな、と想像はしていたがいざ言われると自分を避けているのだと確定してしまい、悲しくなってしまった。
「そっか……俺、赤葦に用事あるんだけどちょっと呼び出してくれたり……しない?連絡先、間違えて消しちゃってさ。」
「え?連絡先送るよ?そっちの方が手間かからないだろ?」
普段はなにも考えてないくせに、たまに頭が働くときがある。しかし、こうなってしまっては黙っているわけにもいかないと悟り、話すことにした。
◇◆◇◆◇◆
「へぇ〜〜、赤葦と木葉ってそんなことになってたのか……!」
「ちなみにこのことは木兎以外知らねーからな。あんまりペラペラ喋るのは……」
「わーかってるって!頑張るよ!」
頑張るという単語から不安を与えるのはやめていただきたい。と思ったが口に出さず飲み込んだ。
「だから、頼む。多分、俺の名前出すと絶対断るから、普通にメシ食いに行くってことにして呼んでくれ……。」
「よし、任せとけ!!」
木兎以外のメンバーを選んだ方が作戦に抜けはなさそうだとは考えたが、やはり急に食事に誘っても違和感がないのが木兎だと思い、託した。
数日後、木兎から「明後日の20時に高校の校門前に集まることになった!」とLINEが来た。
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