アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
勇気出し損。
-
「…え?」
赤葦はキョトンとした顔になっていた。
対して木葉は頬が若干赤め。
「だっ、だから、手繋がねえかって。」
木葉は恥ずかしいのか、目線が自然と下になり早口で言ってしまう。
赤葦は俯き加減に考えて答える。
「…ダメです。」
「ぅえっ、なんで!?」
木葉は驚いた顔をして赤葦を見る。
赤葦ならいいと言ってくれると思っていただけに少しショックだった。
「木葉さん、この前なにあったか忘れたんすか!?」
「いや…忘れたわけじゃない…けど…」
赤葦は怒るように言い、木葉はたじろいだ。
「でも、またあんなことなるのはさすがに無いんじゃ…」
「俺は、アンタが泣く姿を見たくない。苦しむ姿を見たくない…。だからお願いです。」
いや、泣いては…と思ったが、説明するときやってしまったな…と今更ながら恥ずかしくなってきた。
「…おまっ、聞いてるこっちが恥ずかしいわ…。はぁ、分かったよ…」
「人目のつかないところでなら色々してあげますよ。」
「色々って、言い方…」
赤葦も、手をつないだりしたいのは山々なのだろう。
だからなのか、以前は早朝一緒に登校しているときグイグイ攻めてきたりしたが、最近は全くなくなった。
というか、勇気を出して言ったのに…撃沈って恥ずかしすぎるんですけど!?
その日はぽつりぽつりと会話をしながら帰宅した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 73