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憎めない。
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「本当…そんなにあっさり言うなんて微塵も思ってなかったですからつい…」
「俺だって言うときは言うんですよ〜〜」
なー?ネコちゃーんと赤葦の胡座をかいている中で寝ている猫を触りながら言う。
「じゃあ、これはどうですか?」
「ッ!?!?」
木葉の左手にスルッと赤葦の右手が入り、恋人繋ぎをする。
手が触れた瞬間から何度目かも分からない、体温が上がる感覚がした。
いい加減この反応を治したいものだが、ほぼ反射で起こっているため自身では制御できない。
「流石にこっちはまだ免疫ついてませんでしたか。」
恋人繋ぎをしたまま手をにぎにぎし、言ってやった感満載の赤葦。
ちくしょうやっぱりまだまだ赤葦の方が上手ってことか。どうしたらそこまでアクティブに攻めていけるのか。
そんなことを考えながら、恥ずかしさからか顔が俯く。
「だって…手繋いだのって遊園地行ったときくらいじゃねーか…それも結構前…」
「でもこの注文、前に秋さんから言ってましたよね?もしかして…言うだけ言ってやる勇気は無かったんですか?」
「あ〜〜もう、うるっせぇなぁ!!」
「まあ、名前言えただけでも及第点ですよ。」
赤葦は木葉の頭に手を置き、優しく撫でた。
年下に年下扱いされるのはすごく癪に触る。
悔しい。ムカつく。悔しい。ムカつく。
でもなぜか憎めない。それは後輩だからなのか、恋人だからなのか、赤葦だからなのか。
自分でもよく分からないでいる。
「頭撫でるのはさすがにやめろよ」
赤葦の手首を掴み、自分の頭から離す。
いくら憎めないからといって、後輩に頭を撫でられたらプライドやら先輩の威厳やら諸々が少なからずダメージを受けるのは逃れられない。
「あ、スンマセン。でもやりたかったんです…」
イタズラをした子犬が飼い主に怒られているような、そんな雰囲気を醸し出していた。
こういうところで後輩特有の可愛さ(あざとさ?)を使いやがる。
無意識か意図的か、俺が怒りかけた危機回避のために使ったのは確かだ。
「やりたかったって、お前は子どもか!」
ここで負けてはダメだと思い、赤葦の頭に軽くチョップを食らわせる。
「赤葦、今日は付き合ってくれてあんがとな。」
「全然いいですよ。来週からは合宿でなかなかくっつける時間ないですからね。楽しかったです。」
可愛い木葉さんも見れたことですし、という言葉は胸の中にしまっておく。
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