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本当に好きなの?。
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あの猫カフェデートなるものからしばらく経ち、今は長期合宿の最終日。
じりじりと陽が照りつけ、体育館も扉を開けているが温度は外と変わらず、空気はむわっとしていて湿度が高い。
風が入ってきても熱を奪うのはほんの少しで一瞬。毎年のことながら、夏の長期合宿の暑さは嫌いだ。でもそれも今年で終わりなのか、と思うとどこか寂しさを感じる。
そして、最後には恒例のバーベキュー。合宿の楽しみはこれであると言っても過言ではない。
みんながみんな、獲物を狙う獣の顔になるのだから、争奪戦はいつものことだ。
そして俺はマネにちょっかいをかけにいく。もちろんバーベキューに興味がないわけではないが。
マネたちが材料を切っている場所へ、そろっと行ってみる。
「ちょっと木葉〜何しに来たの〜邪魔〜?」
「なっ、邪魔じゃねーよ!ちょっと覗きに来ただけじゃねーか!」
「まさか誰か狙ってるとか〜?望みないからやめなよ〜」
俺が来たことをすぐさま察知し、グサッとくることを言ったのはウチの梟谷マネである白福。
ここにいても毒を浴びるだけだと思い、すぐさま移動した。
音駒の監督が話し終わると、一斉に鉄板の周りを囲む。全員、もう目には肉しか映っていない。
赤葦は「木兎さん、他校の人の迷惑にならないようにしてくださいね。」と保護者発言をする。どこまでいっても赤葦は副主将からブレることはない。
木兎は「わーかってるよー」と軽く返事するも、そのすぐ後に黒尾の前の鉄板から肉を掻っ攫っていくのをばっちり目撃した。
俺は小見と烏野の美人マネに声をかけるかかけないかで言い合っていたが、正面を見るとセコムらしき3人が阿修羅のような形相で睨んできたため諦めるしかなかった。今年はガードが堅すぎる…と思い、特にマネと絡むことなく終わった。
バーベキューを食べ終わり、各自ゴミ捨てや洗い物をしていた。そんなとき不意に「木葉さん、ちょっといいですか。」と後ろから声がかかる。もちろん赤葦だった。
おう、と一言返事すると赤葦が歩き出し、俺もついていく。
立ち止まったのは、人気のない体育館裏であった。これはなにかやばい展開なのではないか…と緊張が走る。
すると、赤葦が口を開いた。
「木葉さんは、本当に俺が好きなんですか?」
至って通常通りの無表情…だが、怒っているのがひしひしと伝わってくる。木葉は突然のことで一体なぜ怒っているのか理解できなかった。
「な、なんでそんな怒ってんの…?俺なにかしたか…?」
「やっぱり、俺みたいなガッシリした男よりも女の子の方が好きなんじゃないんですか?」
そう言った赤葦の目は、どこか悲哀を帯びていた。
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