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文化委員のホンキ。
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授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、部室へ向かう。
ドアを開けるとおーす、など声が飛びほぼ全員揃っていたようだ。俺も返事をし、自分のロッカーを開け着替える。
すると横から「あ、」と木兎がなにか思い出したかのように言った。
「そういえば、木葉のクラスって文化祭で何すんの?」
早速出てきたこの話題。普通は気になるし聞くよな、当たり前のことなんだがその話題に触れるなよ、聞くなよ…!と理不尽にも少し怒りが湧いた。
「ああ、ふつーに喫茶店。んで木兎んとこは?」
普通の部分はほぼ皆無だがな!と心の中で思いながら言う。とにかく、自分のやる喫茶店についての話はすぐさま逸らしたいため木兎のクラスでやることを聞いてみる。
「えーと俺のところはなー」
「木葉のクラスって女装して喫茶店するんだろ?」
木兎が言い終わらないうちに非人道兵器、いや核爆弾級のワードが小見の口からぶっ放された。
ついさっき、本当につい先ほど決まったことなのに何故既に情報が出回っているのか。少しでも知られるのを送らせたかったのに。でも落ち着け、ここで慌てたらモロバレする。あくまでクラスが女装喫茶するというだけであって俺は裏方という体でいこう、そうしよう。
「え、木葉マジ!?」
「聞きつけんのはえーなー、正式には女装男装喫茶だけどな。ちなみに残念ながら俺は裏方だ。」
「ちぇー木葉が女装したらいじってやろうと思ったのに。」
「本当それな。」
さすがに俺が女装するということはまだ出回っていないのか、木兎と小見はあっさり信じた。このまま情報漏洩は避けたいところだが…まあそうそう上手くいかないだろう。
*
文化祭の準備期間に突入し、みんなテキパキと自分のやることをやっていた。女子の男装メンバーは早々と決まったが、男子はそうはいかなかった。ネタでやると言い出す奴がいるもののやはり6人に達するのには時間がかかり、この提案をした張本人も無理矢理駆り出されていたので提案したことを心の中で許してやった。
「木葉〜サイズ測らせて!」
「おー。もしかして作んの?」
「まっさか!時間かかるよ。運が良ければドンキで買うし、サイズが無かったら特注だね。」
「なにも特注までしなくても…このまま辞退ってことは…」
「無理。」
「デスヨネー」
女子2人が本気すぎて怖いほどであった。よく考えたら俺の身長で合うコスプレの服なんてなかなか無いんじゃ…と思ったがこの2人なら多分、いや絶対に用意する、できる。
*
文化祭準備2日目。
文化委員2人が木葉の方へ向かい走ってくる。
「木葉!あったよ、アンタに合うサイズ!!」
「マジかよ…っていうか俺なに着んの?」
「はいっ、セーラー服!!」
取り出されたのは襟と袖口が紺色がかった黒色で白のライン3本、赤のスカーフというよくあるデザインだった。
「…どういうチョイスでそうなった?」
「別人レベルにしろって注文だったからさ。これ意外と腕のところとかウエストのあたりゆったりしてるから、体のラインがわかりにくいと思うんだよね。あとこれにゆるいウェーブのかかった黒髪ロングで別人確定だよ!」
「それはサンキュー…」
要望に応えてくれている、というよりは利害の一致というのが大きそうだった。
本当に女装するのか…生地の厚さからして体格を曖昧にできても、いくら化粧をするといっても限界があるんじゃないか、と今更ながら心の中でうだうだと不安が生まれてくるヘタレっぷりを爆発させていた。
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