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その後 20
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「ねえ、今日来てたお兄さん、僕に紹介してくれないかな?」
・・・
・・・え
お兄さん、って、朝霞さん・・・?
朝霞さんを、誰かに紹介する?
俺以外の人が、朝霞さんの隣にくる・・・?
・・・っ!
そんなっ
俺は、だって、朝霞さんが好きで・・・っ
そう、考えたとき。
そう。
本当に、無意識に出てきたことばだった。
「え、えっと、付き合ってる人いるみたいだから・・・ごめんね?」
・・・
俺は、なんて最低なんだろう。
自分のことしか考えられていない、自己中だ。
朝霞さんを取られたくないがために、嘘をついてしまった・・・。
俺は必死に笑顔を作って、ばれないようにつとめた。
すると、元からあまり期待していなかったのか、
「ええ~?! そっかあ、残念だな~」
と、クラスメイトは諦めて去っていった。
・・・俺はなにも反応できなかった。
頭の中は、朝霞さんとのことでいっぱいだったのだ。
・・・
朝霞さんが、誰かと付き合う?
俺が今いるところより、ずっと朝霞さんに近い位置に誰かがくるんだ。
・・・そうだよ。
なんで今まで考えてこなかったんだろう。
朝霞さんがこれから先、誰とも付き合わないなんてこと、あるはずないのに。
どうして、考えつかなかった。
俺はなぜ、気持ちを伝えなければずっと一緒にいられるなんて思ったんだ。
・・・俺は、なにを根拠にそう思った?
たしかに朝霞さんはすごくいい人だから、恋人ができても家に置いてくれるかもしれない。
でも、俺はそんな環境に耐えられるのか?
答えは決まってる。
NOだ。
そんな苦しい立ち居地で俺が朝霞さんの近くにい続けるなんて、無理なんだ。
そうだよ。
俺の気持ちなんて、この件に関してまったくといっていい程無意味だったんだ・・・
俺の我慢しだいで、とかは、ありえないのだ。
だって、決めるのは全て、朝霞さんなんだから・・・・
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