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勘違い
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絵麻ちゃんの言葉を聞いた侑介は、飲みかけていた味噌汁を盛大に吹き出した
「つ、付き合ってるって……あっ……えっ……付き合ってるってこと、だよな……?」
よくわからないことを言ってる
まあ、そういう僕もわかってないんだけど……
すると弥、琉生からも恋人なのかと問いただされた
思わず、椿と顔を見合わせる
いやでも、そんなこと言われても……ね?
僕らだってどこからそういう話になったのか、わかってないし……
ていうか、兄弟でしかも同性なのにそんなことを聞くって……どうなんだ
彼女は僕らのことをそういう風に見てたの……?
「何? いきなり」
多分、僕の顔はさっきの絵麻ちゃんみたいに眉間に皺がよっていると思う
「あ、あの! 昨日の夜、椿さんと梓さんがリビングで……その……あの……聞いちゃって」
そこまできて、やっと彼女の考えていることがわかった
__あのセリフを聞いていたのか……
確かにあれは、男どうしでやるとBLモノに聞こえるかもしれない
僕が誤解を解こうと口を開きかけた瞬間、椿のセリフによってそれはかき消された
「そーなんだよー! 俺たち付き合うことにしたんだ。もう好きになっちゃって、止めらんなくって、昨日の夜、梓に告ったんだ♪」
「椿っ……」
ああ、これは完全にイタズラモードに入ってる
絵麻ちゃんや侑介たちは素直だから……
特に侑介は単純だし……
やっぱり、二人は驚きの声をあげている
「で、梓も同じ気持ちだったから、めでたくコイビト同士ってワケ。昨日もあの後イロイロしちゃってさー!」
「ちょ……やめっ……」
「今更隠すなよー、梓♪」
さすがにダメだろうと抵抗したのに、すんなりと頬にキスされてしまった
隠すのに必死だけど、内心凄く焦ってるし恥ずかしい……
でも__
これは、ただのイタズラで
椿にしたら、可愛い反応をする妹や弟をからかってるだけで
僕にこんなことしてるのも、やっぱり誤解を誘うため__
あれ?
僕、なんでこんなこと考えてるんだろう
こんな……女々しいような、そんな……
「はいはい、冗談はそこまでにして、さっさと朝ごはんを食べなさい」
右京兄さんの声に、僕はやっと我に返った
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