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第三話 盗み聞き
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「…誰だ」
石関課長の低い声。
課長、今の音は聞き間違いだと思ってください……。
そう念じて僕は呼吸さえも止めた。
でも…。
「…青山。資料ならここにあるぞ」
青山とは。そう、この僕なのだ。
青山 瑞紀(あおやま みずき)。女の様な名前だがキチンと男である。
しょうがなく、たてつけの悪いドアを引いた。
「やっぱりお前か」
広々とした会議室。今日僕の座った席の所に石関課長が立っている。
女子社員にも人気で、仕事も出来て尊敬していた上司。
その人が今まで見たことのない表情をした。
口角をあげて、色気のある笑い、とでも言うのだろうか。
「…盗み聞きなんて趣味の悪いことするような悪い子に育てた覚えはないんだがな」
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