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「おまえ、料理なんかするんだな」
「え? ああ、うん、するよ。なかなか楽しいものだよ」
「村のやつにつくらせりゃいいじゃん」
「自分でするのが楽しいんだよ」
「ふーん」
「あ、もしかして、君は料理をした食べ物よりも、生の食べ物のほうが好きかい?」
「んー……どっちも好き!」
「あはは、そうか、どっちも好きか」
三日月は楽しげに笑いながら、暁丸の口元にヒョイと、箸につまんだ卵焼きの切れ端を差し出した。
「卵焼き」
三日月は、ニコリと笑った。
「味見するかい?」
「全部くれよ!」
卵焼きの切れ端を見た暁丸は、口をとがらせてそう叫んだ。
「まだつくるものがあるから、それが出来たら一緒に全部食べさせてあげるよ。今は、とりあえず、味見だけにしておいてくれないかな?」
「後でちゃんと、全部食わせてくれるか?」
「ああ、もちろん。だってこれは、君のためにつくっている料理なのだから」
「そっか。それじゃあ、今はそれで許してやる!」
「ありがとう、暁丸」
三日月の微笑みと共に、卵焼きの切れ端は、ふっくらとみずみずしい、暁丸の唇の中へと送り込まれた。
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