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また…だ
下駄箱の中の靴を出そうと開けると入っているのはゴミや《死ね》と書かれた紙
靴は入っていない
「どこでしょうか…」
よく見えない目で探す
暴力を振るわれている時目を殴られ
頭を何処かにぶつけたみたいで
視力が著しく落ちてしまった
ほとんどが真っ暗です
微かに見えるだけで
死ねと書かれたのが読めたのは
ね、が読めたからです
壁をつたって、靴を探す
トツットツッ…
僕のそばで誰かの靴音が聞こえる
その音は僕の目の前で止まった
怖い…
体に力が入らなくなり
尻餅をついてしまった
?「大丈夫かよ、怖がんな、俺だ」
この声…
「…灰崎…くん…ですか…?」
灰「あぁ、ってお前俺見えねぇのか?」
「はい…少しだけ見えるんですが、ほとんど見えません…」
灰「そうか…それより、靴、おらよ。立てるか?」
「あ、ありがとうございます…」
壁に頼って立つ
僕はさっきから疑問に思ってた事を口にした
「あの、灰崎くん…君は僕を殴らないのですか?何故優しく接してくれるのですか?」
顔が見えないからどんな表情をしているか分からない
けど、雰囲気は驚いていた…ように感じた
少し間をおき、灰崎くんが口を開く
灰「はぁ…何言ってんだ。殴らねぇよ…お前がやったんじゃねぇだろ。つーかあいつらもずっと一緒にいて何でこいつを裏切るんだか理解できねぇ
こんなバスケバカがんな事する事ねぇのに」
「え…」
驚いてしまった
灰崎くんは僕を信じてくれていた
「信じてくれていたのですか?…こんな僕を」
灰「たりめーだ、つーかこんな僕なんてゆーな、馬鹿野郎」
ポタッ
僕の頬に熱いものが流れた
それが何なのか気づくのに数秒かかったがそれは
涙 だった
「あっ…ああっ…」
もう涙なんて流れないと思っていたのに
次々と溢れ出てきた
灰「泣きたい時は泣け、」
いつもの灰崎くんより優しい声が聞こえ、僕は泣いた、泣き続けた
止まるまで、灰崎くんは僕を抱きしめて背中を撫で続けてくれた
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