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21 ナツヤ
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この病室に入るなり
俺は頭が真っ白になった
そこにいたのは
俺の弟
テツヤ
だった
何で何でこんな
「何でだよ!何でテツヤはこんなっこんなことになったんだよ!」
とめどなく涙が溢れた
もう止まらない
俺はテツヤの手を握り叫んだ
「テツヤ!テツヤ!テツヤ!」
何回も何回もテツヤの名前を呼んだ
数分、数十分
ずっと
声が枯れてきて
もう嗚咽しか出なくなったころ
ピクッ
握っていたテツヤの手が少し動いた
「テツヤ?テツヤ?」
テツヤの手は俺の手を少し握り返した
ようにかんじた
テツヤの冷たい手はまた動かなくなる
「テツヤ?おいテツヤ!」
医「大丈夫だよナツヤくん、ナツヤくんが来るまでまったく反応がなかった
なのに手が動いただろう?」
静かに頷く
医「それに酸素マスクみてごらん」
はっ
少しだけだけど嬉しかった
ここに来た時に比べて
ちゃんと息をしていた
灰「大丈夫だな、ナツヤ」
あぁ
短く返事してテツヤを見る
「ごめんなテツヤ。もっと早くここに来れていたら…
元気になったら俺と一緒に過ごそうな」
「先生、テツヤの容体教えて下さい。」
医「分かったよ、もう一度隣の部屋に行こうか」
「はい。」
俺は胸が締め付けられるのを感じながら祥吾とテツヤの病室を出た
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