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赤司目線
屋上に来たのはただ単に来たかったから、ではない
僕に考えがあった
やってはいけない手だが、了承は得ていた
赤司家と手を組んでいる浪川家がある
その浪川家には5人の子供がいて、背丈は俺たちのなんら変わらなかった
もし、会うのは難しい場合変装させて欲しい
と
八重島に電話をかける
「八重島、用意してあるのを持ってきて欲しい
誰にも気付かれないように屋上へ」
『かしこまりました』
八重島はナンバーズの一つ八のつく家だ
八重島の淡々とした口調にああと答え電話を切る
「皆んな、僕に一つ案がある、使ってはいけない手だが、これしかテツヤには会えないから
聞いてくれるか」
無言で頷く面々
ここに来る前から考えていた事を簡潔にいうと
浪川家の子供に変装してテツヤの病室を聞き出して会いに行く
ということだ
この話をするのも胸が痛かった
辛かった
さっき受付にいた女性がいっていた、眠り続けている
その言葉が何度も何度もリピートされて
さらに胸が痛くなる
「…どうだろうか」
皆んな俯いていたが、弱々しい声がそれぞれから言葉を紡いだ
「その案しかテツに会えねぇ…だろ」
「……そうっすね」
「……良いも悪いもないだろう…もう何もかもが悪いのだから」
「……最低だよね、俺ら」
「征十郎坊ちゃん、お持ちしました」
扉がない屋上の入り口
そこから敦が言った瞬間、八重島の言葉が響いた
「ありがとう、八重島、そしてすまない」
「…いえ、ではご健闘をお祈りします」
下がった八重島にああ、ありがとうと答え
それぞれ黒い髪のカツラ、カラコンをつけ
私服に着替えた
先ほどきた屋上までの道のりを逆に降りていった
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