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優也目線
「テツヤ…!テツヤ!」
振り返るテツヤの顔は
来てしまったのですね、という苦笑いの顔
でも綺麗ないつもの笑顔で振り返った
「優くん…君って人は…」
抱きついた俺の頭を撫でる優しい手
涙が止まらないほど溢れてきた
「優くん…ありがとう、ずっとそばに居てくれて
聞こえていましたよ、君の声
ずっと」
凛とした声音で語りかけるテツヤの声
「テツヤ…早く戻って来いよ…寂しいよ…」
いつもの俺じゃないような弱々しい声が出た
ありえないほど震えている声が
この純白の世界に轟いて
「頑張って早く戻ります、君が僕を信じてくれているかぎり」
テツヤは俺を包み込むように抱きしめてくれた
このままここにいたいな
俺自身、この世界が夢、もしくわ精神の干渉で起きた偶然の世界ということ
もう知っていた
テツヤの目も、足もないのだから
でもこの世界ではある
テツヤの意識がある
ならばなおさらテツヤと分かれる気はない
「テツヤ…ここはあったかいな、癒させる」
「優くん」
「ん?……んっ」
不意に塞がれる唇
目の前にはテツヤの顔
キスをされていた
唇を離しテツヤの唇が艶を帯びて言葉を紡ぎ出す
「優くん、ここに居たいとは思っちゃダメです。」
「っ!」
何故それを
その答えはすぐに帰ってきた
「優くんまで現実に帰れませんよ?僕はもう少しここにいないとダメみたいです」
「なんで!!!!!」
「少し、疲れたみたいで。」
「テツヤ…」
「必ずかえります、それまで待ってて?
優くんが向こうに居てくれるから安心してここで
眠れるんです
優くん、ちゃんと寝て下さいよ?
それに兄さんも灰崎くんも
それに皆んなまで
どれだけかかるか分かりません
でも君がいるかぎり戻ります」
チュ
テツヤは俺に触れるだけのキスをした
この瞬間、白から黒に変わりまた真っ白になった
そこにはテツヤだがテツヤじゃない
でもテツヤが俺の前に真剣な眼差しで立っていた
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