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岩泉×及川 [10] ☆
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少し待っていると白衣を着ている男姓が
病室に入ってきた さっきの看護師さんも一緒だった
「身分証明書みたいなものが無かったから
君の名前を知らないんだ 君、何て名前なんだ?」
「及川、徹 です」
「及川さんそれではあまり
あなたを動かしたくはないのですが
トラックに引かれた男の子が
どうなってるのか気になるらしいので
まあ知り合いならば構わないでしょう...
私についてきなさい」
俺は言われるままにその人についていった
「い、岩ちゃん...?」
目の前にいるのは確かに岩ちゃんだ...
だけど頭にも腕にも包帯がぐるぐる巻きにされてて
酸素マスクをつけていた
足はギプスのようなもので固定されている
いつもの岩ちゃんじゃないみたいだ
「雨のせいでトラックのブレーキが効かなかった
らしくてね...今この子は生死の境をさ迷ってる...」
「岩ちゃん...俺のせいで...俺のせいで...」
俺が家を飛び出さなかったら...
俺が岩ちゃんと向き合っていれば...
「あなたのせいではありません
何も悔やまなくていいんですよ」
お医者さんが喋っている言葉はもう俺には届かな
かった 岩ちゃんが死にそうになってるのに
俺は...何もできない...
「...ッ...ヒック」
「泣くなよ...及川...」
「えっ...岩ちゃん...?」
なんと目の前にいる岩ちゃんは
目をうっすら開けてこっちを見ている
「岩ちゃん!」
「うるさ...少しは...静かにしろ...」
「ご、ごめん」
「お前...怪我してない...のか...」
「うん!岩ちゃんのおかげ...」
「そうか...よかった」
「岩ちゃん...「あのさ、俺...お前とこれまで過ごせて...楽しかった...」
「えっ な、何言ってんの...」
「今から俺死ぬのかもしれない...」
「冗談、だよね...いつもの...いつもの冗談だよね」
「スゲーな...死ぬときってなんとなく解るんだな...」
「嘘でしょ...嘘だって言って...」
「お前うざかったけど...いい奴だって....俺、
知ってるからな...」
「岩ちゃん...嫌だよ...もっと一緒に居たいのに...」
「ごめんな...ずっと悪口ばっか言って...最期に
お前を守れてよかった...じゃあな...」
「岩ちゃん?岩ちゃん?ねえ岩ちゃん!
嘘だよね...いつもみたいに冗談だよバーカって
言ってよ...ヒック 岩ちゃんってば!うっ....うゎぁん
ねえ岩ちゃん!!起きてよ...お願いだからっ...」
「...及川さん...残念ですがこの人はもう...」
岩ちゃんの身体についていたゴム製の紐みたいな
先に機械がある その機械から警告音のような
音が聞こえてくる きっと脈拍がゼロになった
ということだろう でも俺は信じない...信じな...
意識が深い深い海に落ちていくような
感覚にとらわれた
周りで誰かの叫ぶ声がきこえたような気もした
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