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第1章 ー 無自覚なアクア・ティント ー変わらない日々
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第1章 ー 無自覚なアクア・ティント ー
「じいちゃん、ばあちゃんおはよう。」
侑紀は小学生の頃から両親の元を離れ祖父母のいる田舎で暮らしている。
見渡す限り畑や田が広がりその所々に歴史を感じさせる日本家屋が建っている。
コンビニもゲームセンターもないけれど侑紀はこの田舎が大好きだった。
「おはよう、侑紀。よく眠れたかい?丁度朝御飯ができたよ。」
祖母の仁美が食卓に、朝食を運んでいる。
それを手伝いながら祖父の泰蔵の姿がないことに気づく。
「ばあちゃん、じいちゃんは?」
「今日は、市場に野菜を出しに行ったよ。後一時間くらいで戻ってくるんじゃないかねぇ。」
広い田畑でとれた作物はとても一軒ではたべきれないため週に何回か市場へ売りに行く。
今日がその日だった。
朝食を食べ終わり、泰蔵も帰ってきて農作業を始める。
大学が夏休みで暇な侑紀もそれを手伝う。
近所の主婦達と談笑したりと、平和に時間は過ぎていく。
時折、縁側などで歌を歌っているときもある。
その歌声は評判で近所の主婦達に請われて歌うときもあった。
変わらない日常。
これからもこの暖かくて平和な日々がずっと続いていくことになると疑いもせずに信じていた。
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