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過去1
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「侑紀くん、侑菜ちゃん二人共お歌が上手ね。お母さん鼻が高いわ。」
そう言って母、榊原侑花が侑紀と侑菜の頭を撫でる。
彼女は若かりし日にアイドルを目指していたが喉の手術により自慢の声が出にくくなりその夢は断たれた。
その為、自分の夢を双子の子供たちに託していた。
歌や演技のレッスンを3歳の頃から双子に習わせ、美容のために日常に多くの規制をもうけていた。
レッスン教室で、双子はトップの成績をとっていた。
その事に侑花は大喜びし人目も憚らず双子を誉めたてるようになっていた。
勿論、周りの親たちはそれを面白く思うはずもなく。
双子に対する嫌がらせが行われ始めた。
周りの子供たちは双子と会話をしなくなった。
嘘の台本を渡されたこともあったしダンスのレッスンの時に足を引っかけられて転ばされたりした。
それでも双子は気丈に振る舞っているように見えた。
しかしその心はやはり小さなたくさんのきずがついていた。
仲がよかった子は話しかけてくれないだけではなく、侑紀と侑菜をまるでいないかのように扱ったり心のない言葉をはきつけたりれされるたび幼い二人の心は傷つく。
小さな傷でもたくさん集まれば大きな痛みとなる。
先に限界が来たのは侑紀だった。
「俺、今日はレッスンには行きたくない。」
そう言ってレッスンを休みたがるようになっていった。
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