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聞いてないよ!? side.侑紀
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姉ちゃんが田舎に残りその代わり俺が東京に行く。
見送るときじいちゃんとばあちゃんは心配そうにしていたけれど笑って「行ってくるね」って言ったら少し安心したみたいだった。
大学はちょうど夏休みが始まったばかりだから大丈夫だろう。
俺は高槻さんの運転する車に乗せられて東京へと向かっていた。
「ところで、高槻さん。俺は2ヶ月の間侑菜のふりをして過ごせばいいんですよね?仕事は?」
ずっと疑問に思っていたことを立て続けに聞いてみる。
「2ヶ月の間、yu-ki*の仕事はこのドラマを中心に入っています。」
高槻さんは俺に青い表紙 の台本を渡してきた。
台本には『碧の涙』と書かれている。
パラパラとめくりながら疑問に思っていたことをさらに聞いてみる。
「高槻さん、なんで姉ちゃんは俺と入れ替わったんですか?」
「侑花さんの圧力に耐えられなかったって言ってました。もう一人の主演の方との熱愛報道を作って売名
しろって行ってきたらしいですよ。」
あの母親はそこまでやらせようとしていたのか。
「侑紀さん、今侑菜さんは侑花さんとお住みになっていないので大丈夫ですよ。」
俺の内心の不安を察してか高槻さんは優しく伝えてくれた。
ところで、もう一人の主演は誰なのだろうと
思ってキャストの欄を見る。
そこには『主演→柊 yu-ki*』と書いてあった。
そして、彼とのベッドシーンがあるではないか。
柊、ベッドシーン………?
ーーちょっと!聞いてないよ!?
ベッドシーンなんてやったらさすがに相手に男だってバレるでしょ…姉ちゃん。
しかも相手が“あの”柊ですか。
決心から約30分。
もうすでに心が折れそうです……。
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