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橘 翔太 side.千尋
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私は侑紀さんを侑菜さんのマンションにお連れした。
侑紀さんは最初大変戸惑っていらっしゃった。
当然のことだろう。
急に姉が訪ねてきて自分と入れ替われと言われたのだから。
「うわ、姉ちゃんこんないい部屋に住んでんのか。」
侑紀さんはすっかり落ち着いたようだった。
キョロキョロと部屋を物色している姿は可愛らしい。
侑菜さんから、よく侑紀さんの話は聞いていたのではじめてあった気がしない。
それどころか自分の弟のような気分にさえなっていた。
「そういえば、高槻さん。俺どうやって姉ちゃんになるの?」
「当てはあります。知り合いにいい腕のスタイリスト兼メイクがいますから。それより、侑紀さん。今日はもう遅いですからおやすみになってください。」
きつくなりがちの自分の表情を出来る限り柔らかくして侑紀さんに笑いかける。
「ありがとうございます、高槻さん。」
その後侑紀さんにマンションの部屋の間取りを伝え布団に入るまで見守ってから部屋を後にした。
車に戻りスマホを取りだしとある人物の連絡先を呼び出す。
コール音が数回鳴った後、低く甘い声がする。
『千尋?仕事終わったのか?』
「ああ、今終わったとこだよ。翔太はもう家か?」
仕事の時は気を付けて丁寧に話しているがこの男―橘翔太の前でだけ素の自分でいられるのだった。
『俺はもう帰ってるから早く帰ってこいよ千尋。』
「あのさ、頼みたいことがあるんだけど。」
翔太の言葉に嬉しく思いながら本題を切り出す。
『なんだ?お前の頼みならなんでも聞いてやるけどお題はきっちり受けとるからな?勿論、千尋がはらうんだからな。』
「うっ…。」
翔太の言うお題は金ではない。
これまでに自分が払ってきたお題を思いだし顔が熱くなる。
身体中にメイク道具でボディペイントをされ、そのまま行為に及ばれたり、メイド服を着させられ鏡の前で…という時もあった。
「わかった。ある人の専属のスタイリスト兼メイクをやって欲しいんだ。」
お題を払うのははっきり言って嫌だが俺は翔太以上のスタイリスト兼メイクは知らない。
『わかったよ。千尋。』
名前の部分をとりわけ性的に甘く呼ばれ俺の顔は真っ赤になる。
「帰ったら話すから!!」
恥ずかしさのあまり早口に捲し立て電話を切る。
顔があつい、心臓の音がうるさい。
このあと家に帰ったあと自分がどんなお題を払わされることになるのか、考えるだけでドキドキしてしまう。
「事故ったらどうしてくれるんだよ。あの馬鹿!」
一人、照れ隠しの悪態をつきながら安全運転で、それでもスピードはあげて翔太のもとに向かう。
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