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あら、まあ side.美月
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社長室で翠と一服していると、携帯に着信がきた。
画面には『千尋ちゃん』。
「どうしたんですか?美月さん。」
「んー?千尋ちゃんから。」
せっかく翠と楽しくお茶をしていたのに、なんなのよもう、と思いながら携帯電話に出る。
「はぁーい。犀川です。なぁに?千尋ちゃん。」
「あー…、橘です。」
千尋ちゃんの恋人。
メイクと衣裳のプロ。
数年前は芸能界で干されていたが、うちで引き取った。
「なんのよう?千尋ちゃんはどうしたのよ?」
「…。となりで寝てるんで。あと、名前で呼ばないで下さい。」
この男、独占欲がかなり強い。
抱きつぶしたのだろう…。
(めんどくさいわね、全く。)
「はいはい、ところで何よもう。」
「あの、侑紀の事が柊にばれたらしいです。」
「はぁ?ばれた?」
翠が心配そうにしている。
翠の頭を撫でながら会話を続ける。
「今日は柊と帰ったらしいです。でも、俺大丈夫だと思うんですけど。」
「どういう意味だ?」
つい、元の口調に戻ってしまう。
「柊も俺らと同類だと思うんで。」
ということは…。
「柊は、侑紀君が好きなのね。」
「まあ、そうでしょうね。」
それならばひどいことにならないだろう。
あら、まあ…。
今回だけはあの、うざいくらい聡い千尋ちゃんの彼氏に感謝することにしよう。
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