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本当に綺麗だよね。 side.陣
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「じゃあ、柊さんとyu-ki*ちゃんのシーンを撮ります!スタンバイよろしくお願いします‼︎」
「はい!」
柊とyu-ki*ちゃん、いい返事。
まだ体に残る倦怠感に自己嫌悪に陥りながら、俺は2人の撮影を見る。
隣には颯眞さんがパタパタと俺を扇いでくれている。
「颯眞さん、ありがと。」
小声でお礼を言うといつもは厳しいその瞳がすっと細められる。
あ、颯眞さん笑った。
ちょっと嬉しくなって元気になった気がする。
俺は次の出番までに体力を回復させなければ。
本当に嫌になる。
別に俺が体力が全くないわけじゃない。
ジムにだって通っているし、体力作りと健康管理には余念がない。
本気でやればやるほど副産物が大きくなる。
お、撮影が始まった。
柊は、俺やyu-ki*ちゃんとは違いタイプの役者だ。
頭で考えるタイプ。
俺やyu-ki*ちゃんは役に入り込むタイプ。
今までのyu-ki*ちゃんの演技を見る限りでは柊と同じタイプの役者だと思っていたのだが。
今のyu-ki*ちゃんは紛れもなく、俺と同じタイプだ。
前回共演したのが3ヶ月前。
こんな短期間で人の演じるタイプって変わるのかな?
今、セット内では恭一郎が水那に跪き手を差し伸べている。
まるで御伽噺の1頁のようだ。
「本当に綺麗だよね。」
「……そうか?」
いつの間にかに声に出ていたようで、颯眞さんが微妙な声で返してくる。
颯眞さんは俺なんかを綺麗だというから人と感性がずれているのだろう。
もう一度セット内に視線を戻す。
水那が恭一郎の手を取り微笑む。
頬を薔薇色に染め、うっとりと恭一郎を見つめる姿は恋する少女そのものだ。
あれは、本当に演技なのだろうか?
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