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【SS】ショコラオレンジの謎 侑紀&諒
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同居生活も一週間ほど経ち侑紀も慣れてきた頃。
今日も侑紀は夕飯を作るために冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫の中身は侑紀が来てから確実に充実して来ている。
「諒さん、今日は筑前煮にしますねー。」
諒は珍しく仕事が早く終わりリビングで台本の確認をしている。
「ああ、ありがとう。悪いな、いつも侑紀にばかり料理をさせてしまって。」
諒は全くと言っていいほど料理ができない。
「いいんですよ!俺、料理くらいしか取り柄ないですから。諒さんはゆっくり休んでいてください!」
侑紀は鼻歌を歌いながら食材を鍋に入れていく。
しばらくして、あとは煮込むだけになった為侑紀が諒の向かいの席に座る。
ことり、と諒の元にコーヒーを置いた。
「諒さん、お疲れ様です。」
「ありがとう。」
一口、口に含んで幸せそうに目を細める。
「おいしいよ。」
「よかったです。」
しばらく、二人の間には心地よい沈黙が流れる。
「あ、そういえば諒さん。」
ふと、侑紀が思い出したように沈黙を破る。
「ん?」
「前から気になってたんですけど、最初に俺がこの部屋に来た時ら諒さん俺にショコラオレンジを淹れてくれたじゃないですか。普段料理しないのになんでショコラオレンジが作れたんですか?」
これは侑紀がずっと疑問に思っていたことだ。
諒は苦笑を浮かべる。
「ちょうど侑紀が来る前の日に姉が来てたんだよ。」
「お姉さん、ですか?」
「そう。俺さ、姉貴が二人いて。超怖いんだよ。間違いなく実家でのヒエラルキーは俺と親父が一番下。」
「そういうものなんですか?」
侑紀は侑菜ととても仲が良いためそういう感覚を持ち合わせていない。
不思議そうに小首を傾げている。
「そうなんだよ。二人ともショコラオレンジが好きでさ、昔っからよく入れさせられてたんだ。超口うるさくて何度もやらされてたからこれだけは淹れれるようになった。その時にコーヒーも淹れられるようになってコーヒーが好きになったんだよ。」
あれは本当に大変だった…。
そう言って遠い目をする諒に侑紀は乾いた笑いを浮かべた。
ー世の中の姉弟は普通こうなのかな?
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