アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
何気ない日常のありふれた幸せ side.侑紀
-
「諒さん、おはようございます。」
「おはよう、侑紀。」
今日は気持ちよくよく晴れた日だ。
朝から溜まっていた洗濯物を片付けて、朝食の準備をし終えた頃、諒さんが起きてきた。
「今日の朝ごはんは洋風にしてみました。」
「楽しみだな。顔を洗ってくるよ。」
「はーい。」
諒さんが身だしなみを整えるのが約10分。
その間に汁物を温めなおしてテーブルに並べる。
焼きたての食パンに、ベーコンエッグ、グリーンサラダ、ブロッコリーのマリネ、それに野菜たっぷりのコンソメスープ、牛乳だ。
諒さんが、戻ってきて二人で食卓に着く。
他愛もない会話をしながら朝食を済ます。
今までもあったような何気ない日常のありふれた幸せが、こんなにも嬉しいなんてこれまでは知らなかった。
その幸せが長続きしないことはわかっている。
姉ちゃんとの入れ替わりが終わってしまえばこのせいかつは終わる。
でもあと1ヶ月はあると思っていた。
この時の俺にはこの幸せがあとほんの少しの命であることを知る由がなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
108 / 129