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淡い青 side.諒
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最近は話の流れに合わせての撮影ではなくなってきた。
今日は2回目の記憶を取り戻すシーンの後のシーンだ。
しかし、記憶を取り戻すシーンはまだ撮影していない。
「柊さん、これが今日の撮影で使うネックレスです。自信作なんですよ!」
美術監督の平松ココアさんが差し出してきた綺麗なガラスケースに入れられたネックレスを受け取り、見る。
「綺麗ですね…。これは、なんの石なんですか?」
手にかかる重さは本物の鉱物の証だろう。
「よくぞ聞いてくれました!この一番大きい土台になっているのがアクアマリン。雫型にすこーしずつカットを入れてあるから光に反射してキラキラするのよ。このアクアマリンに施されているのが特殊加工の銀細工。蔦模様を描いているのよ。これに嵌めているのがブルートパーズとブルーゾイザイト。蔦はね、永遠の愛の象徴なの。お守りと言いつつ、これを渡す恭一郎だけど実はずっと一緒にいよう。っていう思いを込めているのよ〜♡」
「へえ、素敵ですね。」
じっと、ネックレスを見つめる。
この、淡い青はなんとなく侑紀を彷彿とさせる。
この、消えて無くなってしまいそうな淡い青が…。
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