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まるで家族みたい side.侑紀
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諒さんのマンションから一番近いスーパーマーケット。
そこで三人並んで買い物をしている。
カートを押すのは、高槻さん。
キョロキョロと辺りを見渡しては珍味のようなものを見つけて目を輝かせては高槻さんに怒られている橘さん。
その横で野菜などを物色する俺。
なんだか、とても楽しい。
久しぶりに楽しい買い物をしている。
俺にも自然と笑みが浮かんでいた。
「高槻さん、重くないですか?」
「カートですから大丈夫ですよ。」
「そうですか?」
「はい。まあ、重くなったらそこの見た目は大人、中身は子供に持たせます。今日だって荷物持ちに連れてきたんですから。」
いたずらそうに笑う高槻さんについ、俺も笑ってしまう。
「もう、高槻さんったらそんなこと言ったら橘さん怒りますよー。」
「大丈夫です。どうせ聞こえてませんから。翔太は今買い物に夢中ですよ。」
「本当に、お二人って仲がよろしいですよね。なんか三人でいるとまるで家族みたいであったかいです。」
「千尋が母ちゃんで俺が父ちゃんで侑紀くんが息子?」
いきなり俺と高槻さんの後ろにいた橘さんが肩を回してくる。
一応俺は年の離れたお兄さんが二人できた気分で言ったのだが。
「翔太暑苦しい。離れろ。侑紀さんが潰れてしまう。」
「はいはい。鬼嫁は怖いねぇ。」
「誰が鬼嫁だ!誰が誰の嫁だ!」
「え?千尋が俺の嫁に決まってんじゃん?」
「チッ。」
「うわぁ、舌打ちしたよこの子。覚えておけよ、千尋。」
橘さんが低い声を出してだんだん雲行きが怪しくなってきたのにちょっと責任を感じてわざと明るい声を出してみる。
「あ!俺ネギ買い忘れちゃいました!買ってきますね。」
「え?ちょっと、侑紀さん!!」
ごめんなさい、高槻さん!!!
自分の失言を反省しつつ買い忘れたものがあってよかったなぁって思いながら俺はネギを買いに戻った。
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