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from:侑おじさん
subject:元気?
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小虎、元気?
入学してもう3週間だね('∀'●)
学校はどう?楽しいかい?友達できた?
週末は迎えに行くから一緒に墓参り行こうね\(*´∀`*)/
顔文字のやりかた、水瀬くんが教えてくれたんだよー(o>ω<o)
-------END------
「コレお願いね。」
「…」
バサバサと俺の机(書記さんの机を無断で借りている、副会長の許可あり)に乗せられた書類の束。副会長の目の下のクマが昨日より濃くなっている、疲れているのは明白なのだけれど…知り合ったばかりの自分が何か言えるわけなく。
渡された書類について説明はなし。副会長はさっさと自分の机に戻り終わりが見えない仕事をすすめるべくパソコンに向き直ったので、書類の束の中身を自力で確かめることに。
どれどれ…新入生歓迎会のタイムスケジュール、必要資材、警備員数、予算内訳……コレ、お手伝いさんの仕事じゃない。
生徒会のお手伝い、もとい補佐となってこれで幾つ目の丸投げされたお仕事。…と言ってもまだ校舎で迷子になるあたり真の補佐とは呼べないだろう(手嶋がそう言っていた)
俺の制服の襟には白いバッジがつけられた、きらりと光る横長のバッジには「補佐」と書かれている。なんでもこのバッジは生徒会の証だそうだ。これを付けることで何が起きるのかは分からないけれどつけておけと言われたからつけている。
そういえば渋谷も「風紀」と書かれたバッジをしている、ただ白くはなかった。どうやら生徒会は特別なご様子。
確かにこのバッジをつけてから、周りが変わった。目を合わせてもいないのに道を譲られたり、蔭でヒソヒソ話をされたり。ただそういうことは副会長の親衛隊の方々が動いているようで時期に減るとのこと。俺にはまだ親衛隊なんていない、だから副会長の苦労を良く知る副会長の親衛隊の方々が「三条様を助けて下さるなら」とついでで面倒見てくれる。
投票をして選んだわけじゃない外からやってきた生徒が生徒会の一員など、この学園で小さい頃から過ごしてきた生徒たちからすれば、面白くないんだろう。
ま、面白くないというのなら変わってもいい。この目の前にある書類を片付けられるなら。
新入生歓迎会ってことは俺も含まれているんじゃ?という突っ込みはしまっておいて、とりあえず何から手を付けようか…ペラペラ書類をめくっていると最後の書類だけ、他とは違う文字が見えた。
「…特別棟三階廊下の窓ガラス破損に関する…」
「あ。それ。」
全く毛色の違うソレをつい声に出して読むと、副会長がパソコンから視線を外し俺の方を見た。「いやー間違えて渡しちゃった」と苦笑いしてみせるので、椅子から立ち上がって副会長の元へ書類を持っていく。
到着するまで数歩の距離、その間に書類を読む。ざっくりと読んだだけだけど…どうにも風紀委員と一般生徒が揉めて窓ガラスが割れたらしい。揉めてってところを考えると喧嘩だろう、こんなお金持ち学園でもそんな事が怒るんだな…と考えているのがバレたようで副会長が眉をひそめた。
「小虎君、ソレ知らないのかい?」
「俺に関係あることでしたか?」
「揉めた一般生徒って、小虎君のクラスにいる宇宙人だよ。」
話をしながら書類を渡せば、重々しい溜息が生徒会室に溶けた。
副会長が言う宇宙人…浦島太陽、前もなんかやらかしたという話は聞いたけれど、窓ガラスまで割ったのか。
一体全体何を揉めたというのかは謎だけれど、浦島のせいで仕事が増えたようで副会長は忌々しげに書類に会長のハンコを勝手に押して、俺にまた差し向けた。
コレは俺の管轄ではないんじゃ…と受け取らずジッと書類と副会長を見ていれば笑顔で俺の手を掴み無理やり書類を持たせた。副会長の浦島嫌いは加速していくようです。それに巻き込まれている気がする。
「コレ、風紀が絡んでいるから風紀も判を押させないといけないんだよね。」
「…はぁ。」
「そういうわけだから、この書類を風紀室まで持って行ってくれるかい?できれば委員長か副委員長に手渡しで。」
お疲れなのも知っているし、お仕事が山積みなのも知っている。だから副会長が笑顔で頼んでくることには逆らわないようにしている…そのせいで俺の仕事が増えているようだけど。
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