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愛生グッジョブ
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「じゃぁ、嫌いじゃないって証拠に、日曜、ドライブ、付き合って」
俺の言葉に、袮緒はあからさまに嫌な顔をする。
「やっぱり嫌いなんだぁ……」
俺は再び、カウンターに頭を預ける。
「……ドライブなんて1人で行けばいいじゃないですか」
袮緒は、別にオレが行かなくても……、と面倒くさそうにため息を吐く。
「1人で行ってもつまんないんだよ」
本当は、1人でもよく、車を走らせていた。
本当は、なんでもいい。どこでもいい。
もう少し、袮緒のことを知りたくなっただけ。
「愛生さんと行けばいいじゃないですか」
袮緒のグラスから、カロンっと氷の転がる音がする。
「無理。オレ、日曜忙しいから」
奥から愛生の声が届いた。ははっと笑う声が続く。
グッジョブ、愛生。
少しの沈黙の後。
「……いいですよ」
諦め半分で袮緒が承諾の意を示す。
俺はにやりとし、がばっと状態を起こす。
袮緒を見ると、少し身体を引いて、眉間に皺を寄せていた。
俺のにやつく顔を確認し、はぁっとため息を吐いた。
「また、からかってるんですか?」
「からかってないよ。本当に行くよ、ドライブ」
にこりと微笑む俺に、袮緒は、同意したからには行きますけどね、と諦めの返事をした。
「連絡先、教えて」
カウンターに置かれていた俺のスマホを手に取り、目の前で振る。
袮緒は、胸ポケットに入っているスマホを取りだした。
袮緒の細く長い指がスマホを弄る。俺はしばし、その動作に目を奪われる。
「はい」
自分のプロフィールを開き、俺の前にスマホを置く。
「赤外線、ついてないんで、打ってください」
袮緒の声に、ふっと引き戻され、俺は自分のスマホに袮緒の番号を登録した。
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