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違和感
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日曜日、時間は13時を回っていた。
オレの家の近くのコンビニで待ち合わせをしていた。
13時にって約束していたんだけど、少し家を出るのが遅れた。
コンビニを外から、ちらっと覗く。
2月半ばなのに、コートも着ずに、白いTシャツの上に黒色のシンプルなシャツという出で立ちで、雑誌を立ち読みしている須栗さんが居た。
バーで会うスーツ姿の須栗さんとは違い、少し新鮮な感じがした。
オレはそのままコンビニ入り、須栗さんに声を掛ける。
「須栗さん?」
横から、読んでいる雑誌を覗き込む。
読んでいたのは、メンズのファッション誌。
「ぉわ……驚かすなよ」
須栗さんは、オレの存在に驚き、読んでいる雑誌を落としそうになる。
「すいません、遅くなりました」
「いいよ、大丈夫。飲み物、買っていこうか」
そう言って、須栗さんはドリンクコーナーへと足を進めた。
須栗さんのブラックコーヒーとオレのミルクティーを買い、コンビニを出る。
「あれ。俺の車」
キーで車を指し示す。メタリックブルーの普通ワゴン車のウインカーが2度点灯した。
色は違うが、オレの父親の車と一緒だった。
促されるままに助手席へ乗り込んだ。
「どこか行きたいところある?」
車に乗り込み、キーを指しながら、オレに問う。
「いえ……」
「そう。じゃぁ、適当に走るよ……」
駐車場から車を出しながら、ぼそっと呟く。
なんだか変だった。
バーで会ったときは、いつも、にこにこしながら、オレにしつこいくらいに話かけてきたのに、今日は全くオレの方を見ない。笑わない。
何か考え込んでいるような……そんな雰囲気だった。
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