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なんか変なコ
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結局、再来週、給料日後の日曜日に須栗さんとメガネを買いに行くことになった。
須栗さんはどんなメガネを選んでくれるのだろう。
オレの心がドキドキと音を立てる。わくわく感が、否めない。
久しぶりに、同期の飯田 陽路花(いいだ ひろか・23)が昼食に誘ってきた。
入社したばかりの頃は、よく、同期3人で昼食をとっていた。最近は、営業の飯田と宇野さんは外に出ていることが多く、あまり機会がなかった。宇野さんは、今日も外回りに出ているようだった。
「袮緒、なんか楽しそうだね?」
昼食のオムライスにケチャップをかけながら、飯田がちらりと対面のオレを見る。
「んー。そう?」
自分の口角が上がっていることに気付く。オレは無意識に笑んでいたようだった。
オレは、チャーハンを一口、口に運ぶ。
「忘年会あたりから元気なかったから、気にしてたんだよ、これでも」
上目づかいに、なんだか申し訳なさそうにオレを見る。
「なんか、悪いことしちゃったかなぁって……」
飯田は、オムライスの端をスプーンで切り取り、口に運ぶ。
オレは、ふっと鼻で笑った。
「仕方ないじゃん。オレ、邪魔だったんだから」
飯田は、悪くない。オレが彼らの恋愛の邪魔者だっただけ。
さらっと放ったオレの言葉に、飯田は、ふんっと荒く鼻から息を吐く。
「ごめんって。邪魔だなんて言って……」
これでも、反省してんのよ? と、反省しているとは思えないような、諦め混じりの表情でオレを見る。
さらに、ふぅっと、ため息を付け加えた。
「飯田」
上から声が降ってきた。視線を向けると、愛生さんがなにか言いたげに、飯田を見下ろしている。
「愛生さんも、一緒します?」
飯田は能天気に言うと、固定されている椅子の上をずりずりと動き、端に寄る。
「いやいや、お前、ミーティングじゃないの? 昼休みにやるって唯一がぼやいてたぞ?」
飯田の口がぱかっと開く。声が、声になってない。
顔に焦りの色が広がる。慌てて、今度は、先程とは逆にずりずりと動き立ち上がる。
「愛生さん、それ、あげます。袮緒、お金、後で払うわっ」
食べかけのオムライスを愛生さんに押し付け、オレに金を払えと言い、飯田は走り去っていた。
愛生さんは走り去る飯田の後ろ姿を見て、あははっと笑う。
「なんか、変なコだよね、飯田って。変に鋭かったり、とぼけたことしてみたり……」
そこが可愛いのかな……? と、オレの対面に腰を下ろした。そして、飯田の残したオムライスに新しいスプーンを差す。
愛生さんって、人の食べかけだとか、あんまり気にならないのかな?
「そう言えば、ドライブ、どうだった?」
愛生さんは、オムライスを口に運びながら、オレに尋ねてきた。
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