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チャラさ倍増
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コンビニから30分ぐらい走ると、大きなショッピングモールがあった。
とりあえず、他の買い物も出来るかもしれないと、そこに決め、ショッピングモール内のメガネ店に入った。
結構、大きな店舗だった。
「これは?」
入ってすぐにあった、ビジネスマン向けの細い銀色のスクエア型のメガネを掛ける。
「違うな……」
須栗さんはオレの顔を見て、眉間に皺を寄せ、首を捻る。
そんなお堅いのじゃなくて……と、須栗さんはメガネを端から端までゆっくりと物色する。
オレはそんな須栗さんの後ろをゆっくりとついて歩く。
オレの視線は並べられているメガネではなく、須栗さんの後ろ姿を追いかける。
自分のメガネじゃないのに、須栗さんは、なんだかすごく楽しそうにメガネを手に取り、見比べる。
自分には必要ないから、物珍しくて楽しいのかな?
「……これだな」
そう言って、須栗さんが手にしたのは、スクエア型のアンダーリムのメガネ。
落ち着いたメタルレッドでボリューム感のあるのフレームが印象的。サイドにも細かい細工が入っている。
渡されたメガネをかけて、少し屈んで鏡を覗き込む。
鏡越しにオレを見て須栗さんが、ははっと笑った。
オレは、抗議の視線を送る。
「いや、それさ、…チャラさ倍増だな」
それは、誉め言葉? 貶してるだけ?
再び覗いた鏡の中のオレは、おかしくは、なかった。オレの外見にぴったりフィットしている、そんな気がした。
「これにしようかな……」
鏡の自分を見ながら、呟いた声に須栗さんはちょっと驚きの声を上げる。
「須栗さんが選んだんですよ?」
メガネをかけたまま、須栗さんに直接、怪訝な瞳を向ける。
思うほど似合ってないのかな?
「いや……そんな一発で決めると思ってなかったから。でも、思った以上に似合うなぁ」
須栗さんは、にやりと笑った。
好きな人に選んでもらい、似合うと言われたメガネ。
嬉しくて、思わず顔が綻んでしまう。
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