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好き、ですか?
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元彼でもなくて、キスもしていなくて……愛も、なくて。
オレの……勘違い、だったの?
オレが、勝手に誤解して、勝手に傷ついただけ?
……違う。オレが、傷……つけたんだ。
オレ、勝手に勘違いして、あなたを傷、つけた……。
逃げ、たんだ…。
「俺、袮緒の傍に居たい……」
……オレも、須栗さんの傍に居たいです。
許されるなら、大好きなあなたの傍に、居たい。
でも、オレはあなたを傷つけた。
勝手な思い込みで、傷つけた。
自分を守るために、オレはあなたを傷つけ、逃げたんだ。
……こんな弱いオレでも愛してくれますか?
こんなオレでも、あなたは好きと言ってくれますか?
「オレのこと……好き、ですか?」
オレは、あなたが好き。
オレの気持ち…受け止めてもらえますか?
もう、逃げたりしないから…。
どんなに苦しくても、切なくても、あなたの気持ちから逃げたりしないから……。
お願い、好きだと…言って……くれませんか……?
オレを…愛して………くれませんか?
「好き、だよ。あの時、言ったのは嘘じゃない。袮緒以外に『好き』なんて感情は、湧かない……」
須栗さんの瞳がオレの瞳を射抜くように見つめる。
「あり……が、とう……」
オレの頭には、その言葉しか浮かんでこなかった。
ありがとう。オレを見つけてくれてありがとう。
ありがとう。オレを好きになってくれてありがとう。
ありがとう。オレを『好き』と言ってくれて……ありがとう。
……オレの心を拾ってくれて、ありがとう。
涙を拭う須栗さんの手をギュッと握る。
この手はオレを見つけてくれた。
これから、きっと、オレに愛をくれる。
オレはもう、淋しさに怯えなくて…いいんだよね?
あなたに期待して、執着して…いいんですよね?
オレは、その手にそっとキスを、捧げた。
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