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頑張れ、ラブちゃん
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俺は、愛生と飯田を交互に見やる。
俺の視線の動きに促されるように、2人の視線が交差する。
真っ赤に染まった愛生の顔。視界に捉えた飯田の顔も、急激に赤みを帯びる。
飯田は慌てて、視線を外した。
「愛生さん、なんで顔、赤いんですかっ!」
移ったじゃないですかっ、と訳のわからないことを言い始める。
「飯田が動揺してる…珍しい……」
宇野はぼそりと呟き、目を瞬く。
俺は思わず、クッと笑いを漏らした。
「俺ら邪魔だな……、まぁ、頑張れや、ラブちゃんっ」
愛生の背をぱんっと叩き、宇野の肩を抱いて、歩き出す。
背中から、愛生の言葉にならない声が飛んできたが、ガン無視してやった。
肩を抱かれた宇野は、きょどきょどしながらも素直に俺に従い、歩く。
とりあえず、バスケットをしている奴らの邪魔にならないように、壇上に移動した。
「あれ、付き合うよ」
そう言って、宇野の顔を覗き込むと、相変わらずきょとんとした顔していた。
びゅっと風を切る音が耳を掠める。
俺の顔の横、すれすれをバスケットボールが通過して行った音だった。
視線をコートに向けると、唯一が鬼の形相で、俺を睨み付ける。
俺は慌てて、宇野の肩を解放した。
「お前の彼氏、やきもち屋さんだな」
ポケットに手を突っ込み、再び、宇野の顔を覗き込む。
にかっと笑う俺の言葉に、宇野の顔は赤く変化する。
唯一が走り寄り、檀上にバンッと手をついた。
「宇野、大丈夫か?」
心配顔で宇野を見やる唯一。
「大丈夫ですよ」
心配し過ぎですよ、と宇野はくすくすと笑う。
「わりぃ、ボール、取ってきてくんない?」
その言葉に、宇野は檀上の奥まで転がっていたバスケットボールを取りに、俺たちの傍を離れた。
唯一が俺の顔を見て、指でくいくいっと呼びつける。しゃがみ込み、顔を寄せる。
「人のもんに触ってんじゃねぇよ」
唯一は、ギロリとオレを睨み上げた。
「お前こそ、袮緒のこと、エロい目で見てんじゃねぇよ」
俺も負けじと睨み返す。
「見てねぇよ。アホか」
唯一は、俺から視線を外し、チッと舌を打つ。
コートから俺たちの傍へ歩いてくる袮緒が視界に入る。
「休憩してもいいですか?」
傍まで来て、唯一を見やりながら、Tシャツの裾を捲り上げ、顔の汗を拭う祢緒。
Tシャツの下から引き締まった腰回りがちらりと覗く。
俺と唯一の視線が、瞬間的に袮緒の腰回りに貼りついた。
唯一の視線に気づき、俺は唯一の頭を思いっきり平手で引っ叩いた。
「見てんじゃねぇかよっ」
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