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甘い欲求と苦い記憶
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弁当を食べ終わり、まったりとテレビを見ていた。
無造作に投げ出された須栗さんの手に指を絡める。
「今日、……泊る?」
須栗さんの言葉に、オレの指がぴくりと反応する。
『泊る』という単語に『セックスをする』というフレーズが重なる。
セックスをしたくない訳じゃない。
触れたい、繋がり、たい……。
でも、オレの心はそれを拒んでいた。
セックスの最中に口を塞がれた苦い記憶が、心に重く圧し掛かる……。
甘い欲求と苦い記憶が心の中で交錯する。
「着替えないんで、帰ります」
視線を手元に落としたままで、静かに言葉を発する。
いつまでも、セックスをしないわけにはいかない。
わかってる。
でも、もう少し、この幸せな時間を味わいたい。
手放したく、ない。……嫌われたく、ないんだ。
須栗さんの空いている手がオレの顎を捉える。くいっと持ち上げられ、唇が重なる。
ゆるりと舌が口内に浸潤する。
オレに絡め取られていた須栗さんの手が、するりと抜け、シャツの隙間から入りこみ、脇腹を撫で上げる。
オレは、零れそうになる吐息を、必死に喉の奥で食い止める。
オレの顎にかかる腕に手を掛け、脇腹から腰に落ちる須栗さんの手をやんわりと静止する。
オレの行動に、須栗さんはゆるりと瞳を開く。
押し倒すようにオレに覆いかぶさり、耳元に口を寄せ、須栗さんは囁いた。
「もう、無理……我慢、できない…」
オレの太ももに膨張したモノを押し付け、耳に舌を這わせた。
オレの身体が、甘い刺激にぴくりと反応する。ジャージの下で、下着の中でオレのモノは着実に容量を増していた。
漏れそうになる声を堪え、オレは、須栗さんの両肩を押し、引き剥がす。
須栗さんは怪訝な顔でオレを見つめていた。
「今日は……無理です。バスケで、疲れた」
言葉に、須栗さんの視線が横にそれ、身体が離れていった。
「ごめん……」
須栗さんは、片手で顔を覆いながら、オレの横に、ドカッと座り込んだ。
はぁっ、と深いため息が耳に届く。
ごめんなさい。
本当は、もっと、触れたい。
本当は、もっと、……交わり、たいんだ。
でも……。
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