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甘いキス
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袮緒はゆっくりと、俺の胸元から顔を離した。
俺を見つめる袮緒の瞳の中で乾ききらない涙がゆらゆらと揺れる。
「ごめんなさい……」
「謝んな」
ゆっくりと袮緒に口づける。
少しだけ開いた袮緒の唇。愛してる……、囁く代わりに袮緒の口内に舌を割り入れる。
愛に応えるように、袮緒の舌は俺に絡みつく。唾液が絡まり、口端から零れ落ちた。
「……はぁ」
袮緒が甘い声を漏らす。瞬間、袮緒の身体が、ぴくりと反応し、身体を固くした。
俺はそっと、袮緒から唇を離す。
袮緒は、苦しそうに、微かに眉間に皺を寄せていた。
そうだ。最初に袮緒の心を疑ったのも、甘いキスの後……。
袮緒の脳裏に何かが、ある……。
俺は、黙ったまま玄関を上がり、袮緒の手を取り、立つことを促した。
袮緒は、少し躊躇いながらも、俺に従う。
袮緒の手を引き、家の中へと足を進めた。袮緒は慌てて、靴を脱ぎ捨て、ついてくる。
そのまま、ベッドに袮緒を座らせた。座っている袮緒を正面から挟みこむように、ベッドに手をつき、もう一度、袮緒に口づける。
歯列をなぞり、頬裏をなぞり、舌を絡める。袮緒の口内を犯す。
袮緒の手が俺の服を掴む。崩れ落ちそうになる身体を支えるように、俺にしがみつく。
袮緒の口端から零れた唾液をぺろりと舐めた。
「………はぁっ」
甘い吐息と共に、袮緒の身体が硬くなる。
少し、身体を離すと、袮緒は、申し訳なさそうに俺から視線を逸らせた。
俺はベッドに上がり、袮緒の頭が胸元に来るように、後ろから袮緒を抱き寄せた。
髪に顔を埋めながら、言葉を紡ぐ。
「袮緒…? 何が……怖いんだ?」
袮緒は俺の質問に少しだけ、ぴくりと反応した。でも、言葉は発しなかった。
「素直になるんだろう? 俺と、恋愛、するんだろ?」
言葉に促されるように、袮緒は口を開く。
「オレの声、可愛くないんです。須栗さんの気持ち、削いじゃうから」
ぼそぼそと消え入りそうな声で呟いた。
俺は思わず、ため息をついた。
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