アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ずっと、ずっと【100イイネ記念&お正月のテンションで番外編2(完結)】
-
車で2時間ほど走った。峠の中腹あたりのパーキングエリアで車を止める。なんの変哲もない、車を止めるためだけのスペース。
袮緒はドライブしている間にまた、眠りに落ちていた。揺り起こすと、はっとしたように俺を見る。
「ごめんなさい……」
寝てしまったことを反省するように、上目づかいに俺を見て、ぼそっと謝る。
「いいよ。無理に起こした俺だし……。そろそろかな」
俺は車を降りて、崖の側まで歩いた。袮緒も釣られるように車を降り、ついてくる。
設置されているガードレールから少しだけ身を乗り出した。
「危ないですって」
袮緒は、慌てたように俺の腰に手を回す。背中にじんわりと袮緒の体温を感じる。
「ははっ……大丈夫だって。てか、見てみな」
そう言って、右斜め前を指さす。丁度、山並みの木々の隙間から今年初めての太陽が顔を覗かせる。
「初日の出」
そう言って、振り返り笑顔を向けると、袮緒は眩しそうに太陽を見つめていた。
「今年もよろしくなっ」
袮緒は、俺に声に視線を向け、屈託のない笑みを浮かべた。
「今年だけじゃないですよ。ずっと……」
日の光を浴びながら、ゆっくりと袮緒と唇が舞い降りてきた。
ずっと傍に……居る、居たい、居させて。
そう呟いているような袮緒の唇が俺のそれに重なる。
唇を合わせるだけのキス。お互いの存在を確認するような、体温の交換をするような、長い長いキス。
今年も1年、その先もずっと、笑顔の袮緒と共に過ごしたい……。
ずっと、ずっと傍で。ずっと、ずっと笑ってろ……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 97