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別れ
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「もうすぐ、結婚…するんだ」
固く目を瞑り、そう言ったきり、眞人は黙り込んだ。
まるで祈るように、願うように瞼を伏せる眞人から、そっと手を離す。
「それは…俺から逃げるため?」
「違う。有紀子を愛しているんだ。だから結婚する」
「嘘だ」
「嘘じゃない。僕は有紀子を愛してる。こんな身体になっても、付いてきてくれた彼女を、この先ずっと守っていきたい」
「こんな身体で…何を守れるっていうんだよ!」
私は声を荒げ、動かない眞人の足を持ち上げた。
眞人はなす術もなくベッドに倒され、覆い被さってくる私から顔をそらす。
私は眞人の足を肩に乗せ、腰を引き寄せた。
興奮を隠しきれない陰部を、布越しに眞人に擦り付ける。
「知り合いに…通訳の仕事を紹介してもらった。語学力なら自信がある。有紀子も…出産まで働くと言ってくれた」
「出来るわけないだろ、そんなこと…!」
「幹久、もう僕のことは忘れてくれ…すぐに家を出て行く。だから…」
「嫌だ、眞人、眞人…!」
「お願いだ…僕を忘れて、幸せになってくれ…!」
腕で隠した顔から、頰に涙が零れ落ちた。
私はその腕を掴み、眞人の顔の横に押し付ける。
眞人は歯を食いしばり、切なげに首を横に振った。
「罰が…きっと罰が当たったんだな。僕は長兄として追うべき荷を君に背負わせ、なおかつ君の思いを知っていて身体を許した。酷い兄だ…ごめん…本当にごめん、幹久…ごめんよ…」
「眞人を抱いたこと…後悔なんてしていない。これからもしない。眞人、もう離さない…」
「幹久…お願いだ…幸せになってくれ…僕を許さなくていいから…自分を許してやってくれ…!」
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