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子供
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それから眞人は宣言通り家を出て、身内だけの簡単な式を挙げた。
夫婦揃って通訳の仕事は思いの外うまくいっているらしく、二人して出張でアメリカに行っているうちに、赤ん坊は生まれた。
先天的な病を負って生まれたその子は、幾度となく難しい手術をしなければいけなくなり、
何年経っても、一向に帰国する旨の便りは届かなかった。
その間に、私も結婚した。
父に勧められた見合い相手で、茶道の家元の出の柚子(ゆずこ)は非の打ち所のない嫁で、
歌舞伎界の若きホープと家元の姫の理想的な結婚だと、少しばかりメディアに取り上げられた。
私はそれなりに柚子を愛していたし、子供も産まれた。
長男は幹彦(みきひこ)。
眞人の長男より二つ年下になる。
長女は結花(ゆいか)。
眞人の長男、結威(ゆい)があまりに可愛いから、双子のように育ってほしいと、柚子が名付けた。
二人とも愛しく思えたが、私自身が父親から愛を注がれた覚えがあまり無いため、どう接していいかわからないこともあった。
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