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仲間でも
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まるで競歩するように進む俺の後ろを、ぴったりと離れず付いてくる日向。
無言で肩で息をしながら体育館に戻って、バレーボールを手に持つと、日向がいつもと違う静かな声でお決まりのセリフを言ってきた。
「影山、トスくれよ」
「……おぉ…」
いつも嬉しそうに本当に欲しそうな笑顔で言われる言葉が、今は違う別の物を求めるように、少し低い声で発せられる。
似合わねー声だしてんじゃねぇよボケ。
目が赤かった理由、それは及川さんに本気で嫌われていると再確認させられたから……。
そんなこと、言えるわけない。
それでも日向は、俺がちゃんと教えてくれるのを待っている。
心配してくれてるの分かってる。
俺だって日向がいつもと様子が違ったら、しつこくそのわけを問いただすだろう。
大切な仲間だから、力になりたい。
お前もそう思ってくれてるんだろ?
その事をすごく嬉しく思う。
けど、それでもやっぱり言えねーよ……。
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