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覚えてました……
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ずっと、及川さんに嫌われていると思ってた。
だって、俺が近付く度及川さんは嫌な顔をして、あっかんべーをしてくるから、そんなことされたら普通嫌われていると思うだろう。
俺は及川さんのこと、すごく尊敬していた。
皆に慕われていたあんたを羨ましいと思ってた。
あんたみたいになりたい……
あんたの傍にいたいとも思った。
でも、及川さんは俺のこと大嫌いだっただろ?
だから及川さんに話がしたいから付いてきてって言われた時も、
なんで嫌いな奴と話がしたいんだろう?
って、全然及川さんの気持ちが分からなかった。
どうしても分からなくて、
嫌いな俺に意地悪して、遊ぼうとしてるのか?
暇潰しにからかってやろうと思ってるのか?
と、俺はそう解釈した。
だから、ただただめんどくさいことに巻き込まれないことを祈った。
でも今は、そのめんどくさいと思ってたことに、自ら首を突っ込もうとしてる。
もうここには来ないだろうと思ってた及川さんのアパートに、自分から踏み込んでる。
及川さん、あんたの気持ちが全然理解出来ねーよ。
あの、大事な話ってなんだったんだ?
カレーを食べてる時の、可愛いってどういう意味?
本当は、俺のこと嫌いじゃないのか……
それを確かめるために俺は、あんたに会いに来た。
ちゃんと教えろよ、及川さんの気持ち
そして、もし、俺のこと嫌いじゃなかったら、
見せてほしい。
苦しそうな顔じゃなくて、笑顔を……
「及川さん……012号室ちゃんと
覚えてました。」
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