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一番知りたかった質問
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あの後恥ずかしさや気まずさを通り越して、何故か笑みが込み上がって、二人で笑いあってしまった。
一頻り笑いあってから及川さんが、立ち話もなんだしと言って部屋にあげてくれた。
当たり前だけど、あの時と全然変わってないな。
なんて考えながら、同じ椅子に座った。
「トビオちゃん~牛乳でいい?」
「普通お茶とかコーヒーじゃないんすか?」
「牛乳でもいいでしょ! 文句があるなら、飛雄は水にするよ」
「いや、もちろん牛乳で良いっす」
牛乳とか及川さんらしいな、と思いながら笑っていると、ドンッとわざとらしい音をたてて目の前に牛乳の入ったコップが置かれた。
「ハイどーぞ~……」
「……あざっす……」
しばらく二人で沈黙のまま牛乳を飲む。
なんか気まずいな……
あっ、そうだ。
話すことが思い付かない今が丁度良いんじゃないか?
及川さんの本当の気持ちを知った上で、俺が一番聞きたかった事があった。
それを今、思いきって聞いてみようと思った。
「及川さんは、俺のこと中学の頃から好きだったんですよね?
だったらなんで、いつもしかめっ面とかして、サーブとか何にも教えてくれなかったんすか?」
「そ、それは……」
中学の頃の意地悪な顔をしていた及川さんの顔を思い浮かべながら質問すると、及川さんは顔を赤くしながら目を泳がせた。
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