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心待ち
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「お疲れっしたぁーーーー!」
部活が終了し着替えてから、俺はチームメイトに挨拶して急ぎ足で校門へと向かった。
挨拶した時の菅原さんの笑顔に赤面してるようじゃあ、及川さんに会った時はもっとヤバイだろうな。
校門を潜り抜けて、左右を見渡す。
まだ及川さん来てないみてーだな……。
俺今、明らかにそわそわしてる。
初めてだ。
こんなに誰かを待って、スゲードキドキして落ち着かないのって。
早く及川さん来ねーかな……。
俺から行った方が良いのかな?
その方が早く会えるかな?
なんか全然落ち着けない。
何回も及川さんが来るであろう方向を見ては、そわそわしている。
「なんか王様、デートを心待ちにしてる女の子みたいで、気持ち悪いよ。
見てたらイライラしてくる」
「あ?」
こんな嫌みを言ってくるのは一人しかいない。
そうだよ。
及川さんに会えることが、俺にとってはスゲー待ち遠しいことなんだよ。
「月島うるせーぞ!
気持ち悪いなら見なきゃ良いだろ?
とっとと帰れ」
相手の方を見ずに返事して、ただただ及川さんの姿を探す。
すると突然顎を掴まれ、向いていた反対の方を向かされた。
「仕方無いでしょ。
王様がどうしても視界に入っちゃうんだから!
ホントメーワクしてるんだけど!」
「イッテーなぁ!! 離せよ!
さっさと帰れば視界に入んねーだろ!」
「そんなの無理なんだけど……」
「あぁ? なんで無理なんだよ?」
顎を掴んでくる腕を放させようと掴んだら、今度は日向が自転車を押しながらこちらに向かってきた。
「月島ーーっ、先に行くなよ!
抜け駆けは許さねーぞ!」
「んだよ? 今度は日向か……。
抜け駆けってなんだよ?」
「か、影山に言えるわけねーだろ!!」
「はぁ? んでだよ?!」
「王様が鈍感すぎるから言えないの」
「??」
「ホラ、やっぱり鈍すぎるよ王様」
「まあ、それで色々助かってるとこもあるんだけどなぁ~」
「何言ってんだお前ら?」
二人の言っていることが理解出来ずに首を傾げていると、ずっと心待ちにしていた、
ずっと会いたかった人の声が俺の鼓膜を震わせた。
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