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11 sideミヤ
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初めて会った時のことは、正直覚えていない。
バイト先のカフェに妹さんと来てくれたらしいけど、俺にしてみればよくいるカップルのお客さんにしか見えなかったんだろう。
2度目に会った時は、その人は一人で。
ウチの店に男一人は結構珍しいから、印象的だった。
無造作な黒髪に、流行り廃れの無い服装。
端的に言ってしまえば、地味。
決してダサい訳ではないけれど、きっとファッションには無頓着なんだろう。
でも、なんていうか…、男の人にこんなこと言ったら嫌がられるかもしれないけど、綺麗な人だなぁって。
少し手を加えるだけで、かなり化けるタイプだと思った。
ただ、ニコリともしないから、正直印象は良くなかったけど。
でも、なんでかはわかんないけど、何となく目を引かれて。
チラチラと視線を遣っていて気付いた。
パンケーキを頬張る瞬間に、堪えきれないかのように微かに彼の頬が緩むのに。
その姿は、小動物みたいにチマチマしてて。
決して小さいと言う訳ではないけれど、何だろう、動きのせいかな。
『なんだ。男一人だから、緊張してんのか』
そう思ったら、年上であるだろうこの人が、なんだかどんどん可愛く思えてきて。
その時期、俺はプライベートでちょっと面倒な事に巻き込まれていたんだけど。
疲れていた気持ちが、彼の微笑みに癒されていって。
それが恋心かどうかなんて、正直わからなかったけど。
それでも、確かに興味を惹かれる自分がいた。
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