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おまけ
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「将吾さん!!」
ソファで寛いで本を読んでいたら、物凄い勢いで玄関が開いた。
「びっ……くりしたぁー…」
思わず手の中の小説を落としてそちらを見やる。
先程の僕の予想は、見事に外れてしまった。
満面の笑みなんて余裕は、これっぽっちもないらしい。
肩で大きく息をしながら、縺れる手で靴を脱ごうとする本宮くんは、汗だくで苦しそうだ。
「お帰りなさい。
そんなに慌てなくても、帰ったりしないよ」
側に行って腕を広げる。
ちゃんと僕も会いたかったと伝えたい。
「…ただいま」
珍しく少し恥ずかしそうに、本宮くんが僕に抱き付いてくる。
首筋に埋められた頭を、わしゃわしゃと撫でると、より一層すり寄ってこられて。
「くすぐったいよ」
クスクスと笑っても、止めてはもらえない。
玄関先なんだからと、強引にソファまで連れてくると、ソファに座った本宮くんに跨がるように、向かい合って座らされた。
「好きー…」
すごく恥ずかしい格好なのに、本宮くんはただひたすら甘えたい気分のようだ。
僕の胸元に顔を埋めて、ずっと僕を呼んだり、好きと言ったりしてくるから、そのたびに僕も、彼を呼んで、「僕もだよ」と答える。
本宮くんには悪いけど、大きな子供やじゃれる大型犬にしか見えなくて、こっそりと笑ってしまった。
結局、家庭教の時間ぎりぎりまでそんな風にくっついて過ごして。
まだ離れたくないと言う本宮くんに逆らえず、今夜もここに泊まることになった。
流石に最後まではしなかったけれど、少しだけエッチなこともして。
彼の腕の中で再び迎えた朝は、やっぱり幸せで満ちていた。
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