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デート 9 side 本宮柳
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「ただいまー」
「おかえり、早かったな」
リビングの扉を開けると、タイミング悪くオヤジがいた。
ニヤっと笑いながら言われた言葉の意味は、つまりそう言うことだろう。
「うるせーよ」
悪態を吐きながらも、今の俺はかなり機嫌が良い。
先程まで将吾さんといたのだから。
本当は夕飯まで誘おうか悩んだのだが、初めからガッツキすぎるのもどうかと思い、買い物のあとアパートまで送って別れた。
最初は助手席で落ち着かない様子を見せていた将吾さんも、デートの後半にはかなりリラックスした姿を見せてくれた。
俺があげたパーカーをはにかんだ笑みで抱える将吾さんも、ちょっと困った顔で俺のカットソーを選ぶ将吾さんも、とにかく可愛くて。
正直なところ、帰り際のキスはヤバかった。
唇をこじ開けて、押し倒したい衝動にかられた。
将吾さんの前では格好つけて大人っぽく振る舞っていても、俺だってまだハタチの男だ。
もともと、そう言う欲求は強い方だし。
あそこで将吾さんに袖を掴まれなければ、もしかしたら傷つけていたかもしれない。
嫌われていたかも、そう思うとゾッとする。
将吾さんも俺も男同士は初めてだし、将吾さんはたぶん奥手な方だろうから、ゆっくりと時間をかけていかないと。
自室へ戻り、早速カットソーを取り出して身体に合わせる。
なんだか少し、照れ臭かった。
ちょっと強引だったけれど、将吾さんから初めて貰ったプレゼントが、とても嬉しい。
女の子相手だと、集られる訳ではないけれど、自然と奢ったり買ってあげたりが増えるから、今日のデートはちょっと新鮮だった。
でも、そんなところも含めて、将吾さんらしくて。
前よりももっと好きになれた。
こうやって、少しずつ時間をかけて好きを積み上げて。
たまには喧嘩もして、仲直りして。
いつかは二人で暮らしたいなんて、気の早いことまで考えてしまった。
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